席を譲る50代の男たち
- 鈴木厚本人
- 2021年10月8日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年10月26日
2014年2月11日 ブログ銀窯日記に投稿
本日は月曜日であったが、午後、久しぶりに電車に乗って気付いた。50代のオッサンはやたらと老人に席を譲りたがる。多分昭和の小学校時代、しつこく教え込まれた「老人には席を譲る」が強迫観念化しているのだと思う。 しかし、80代はまだしも70代に譲ると50代のオッサンはまず、断られる。 いえ、すぐ降りますんで。。。 50代は自分は70代より遙かに若いと思っているし、70代は50代よりそんなに衰えておらんわい!と思っていて意地の張り合いになるんだろう。あまりにそんな場面が多くて、なんだか、可笑しかった。 まず気の毒だったのが、自分の真向かいに座った60近いオッサン。 、80代と思われる爺ちゃんと70代と思われる婆ちゃんの夫婦が乗ってきたのだが、30代の若者は杖ついている爺ちゃんに首尾良く席を譲ったのだが、爺ちゃんの手を引いていた婆ちゃんに席譲りを持ちかけた隣の席のオッサンは「大丈夫、すぐ降りますから」と断られたばかりか、腰を浮かした瞬間、電車が大きく揺れてよろめき、件の婆ちゃんにすがりついて、辛うじて転倒を免れたのだ。観念したおっちゃんは、腕をむんずと組んで座り直したのだが、実に決まり悪そう。 それでも、自分が降りる際は、爺ちゃんの前に立つ婆ちゃんに「どうぞお座りください」と念を押して去っていったのだ。 あくまで、婆ちゃんに譲ろうとする意地がちょっと痛々しいレベルであった。 しかし、かくいう私(54歳当時)も実は本日2回、関譲りを断られた。 私は断れるのが嫌だから、まず譲らないことにしているのだが、60くらいの3人組おばちゃんチーム、私の席の両側に2人分かれて座ったんで、お話しが出来るよう、「(席の位置を)変わりましょう」と申し出たのが、前に1人立っているおばちゃんが、譲られたと勘違いして、お約束の「すぐ降りますので結構」の決めぜりふ。「交換ですよ」と言い換えて、隣のおばちゃんと席を交換して一件落着した。 もう一度は、私の脇が微妙な狭さで開いた前に、70代と思しき爺ちゃんが立つもんだから、尻で隣の兄ちゃんを押して、席を広げて勧めたのだが、爺ちゃんが、ロングシートに座っている人数を指でさして数えてから、「夏だったら座れるけど、冬じゃ無理だな。。」というから、ここまで話して譲らないのもなんだなと思って、「座る?」と立ち掛けたが、やっぱり「すぐ降りるから。。。」の決めぜりふ。 まるで、ワナにはまった気分であった。
下の写真は記事とは関係ありません。
(この作品は紙製なのだが、私の作品だが亡父実の像で制作時1989年私は30歳、父は59歳だった。撮影は2021年)

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